「トラリピで安全な証拠金維持率はある?」
そんな維持率に関する疑問をこの記事では解決します。
ネット上の記事では維持率1000%あれば安全と書いてあることが多いですが、私はそう思っていません。
その理由は維持率だけでは本当のリスクを把握できないからです。維持率は意識せず、ロスカットレートだけを意識しています。
証拠金維持率とロスカットレートの関係はとても重要です。
- 維持率を目安にすることで起こる怖さ
- 維持率の計算方法
- リスク管理はロスカットレートだけを意識すればOKな話
これらの重要ポイントについて解説します。
目次
【結論】トラリピ証拠金維持率を目安にしてはいけない!目安はロスカットレート
証拠金維持率は意外と目安になりません。
ネットやSNSでの質問を見ると維持率を目安にしている人が多いんですが、維持率だけではリスクを測れないんですね。
設定次第では1000%ぐらいの維持率でも、簡単にロスカットします。逆に、設定次第では維持率200%以下でもなかなかロスカットしません。
なぜそのようなことが起こるのかと言いますと、始める時期と設定が人それぞれ違うからです。
注文本数と状況で維持率は変わる
注文本数次第で維持率の上下動は大きく変わります。
- 注文本数が多い:維持率が一気に減少する
- 注文本数が少ない:維持率が一気に減少しない
ドル円120円〜125円に売りのトラップ本数100本(0.1万通貨) 実際に刺さった注文1本 100万円運用 | 維持率は下記とほぼ同じ |
ドル円120円〜125円に売りのトラップ本数10本(0.1万通貨) 実際に刺さった注文1本 100万円運用 | 維持率は上記とほぼ同じ |
実際に刺さった本数が少なければ、維持率はあまり変わらない数字になります。ですが、トラップ本数100本の方が簡単にロスカットするのは明白です。
120円から130円に上昇した場合、上の例では100本の注文になりますが、下の例だと10本の注文です。トラップ数が多ければ多いほど維持率の変動は大きくなります。
維持率の変動はトラップ本数次第
ドル円120円〜125円にトラップ本数100本(0.1万通貨) 実際に刺さった注文100本 100万円運用(実際はこの金額では難しいですが、便宜上) | 全部の注文が刺さっている場合、1円動くごとに10万円の値動き |
ドル円120円〜125円にトラップ本数10本(0.1万通貨) 実際に刺さった注文10本 100万円運用(実際はこの金額では難しいですが、便宜上) | 全部の注文が刺さっている場合、1円動くごとに1万円の値動き |
上の表を見てみると、1円動いた時の金額の動きがだいぶ違うことがわかります。トラップ本数によって、維持率の動き方は大きく変わってくるんです。
維持率の目安は1000%以上あると安心ですが、リスク管理するには維持率ではなく、ロスカットレートを算出しておきましょう。私もロスカットレートは何円かでリスク管理しています。
トラリピ証拠金維持率の計算方法
トラリピの場合は自動で計算してくれてますが、ここでは計算方法も確認しておきましょう。
維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
預託証拠金は実際に入金している証拠金です。運用益が出た際も預託証拠金のところに追加されていきます。そして、右側に有効証拠金と必要証拠金があります。
- 必要証拠金:発注するトラリピの本数によって変動
- 有効証拠金:預託証拠金-評価損益-受け渡し前損益
上の画像を例に計算すると、297万9,326円÷101万1,797円×100=294.45%→294%。
このように計算できますが、評価損益に影響を大きく受けます。1円変動するごとに評価損益がどれくらい変動するのかを理解しておかないといけません。
この変動を掴むのが難しいので、リスク管理はロスカットレートを軸にした方がいいと言えます。
トラリピで証拠金維持率を重視しすぎると危険な理由
証拠金を気にしすぎると危険な理由は下記です。
- 状況によっては1000%以上の維持率から一気にロスカットするから
- 維持率はロスカットの目安にならないから
- 時期によって維持率が大きく変わるから
これらのポイントについて解説します。
状況によっては1000%以上の維持率から一気にロスカットするから
仮に、次のような状況があったとしましょう。
- 証拠金維持率1000%、レンジ幅0.1円、稼働本数3本
- 証拠金維持率1000%、レンジ幅0.5円、稼働本数3本
上記以外の条件を一致させた場合のロスカットレートをまとめたものが下記です(運用金額50万円でシミュレーション)
【レンジ幅0.1円のシミュレーション】
【レンジ幅0.5円のシミュレーション】
運用初期段階では維持率1000%を超えますが、ロスカットレートは全く違います。
59円だとほぼロスカットされませんが、96円だとロスカットがあり得る数値です。
維持率はロスカットの目安にならないから
維持率はロスカットの目安になりませんし、暴落時には維持率が数百%平気で落ちます。たった1日で1000%あった維持率が500%以下になることもあるんです。
そのような時に、ロスカットレートがわかっていなくて、冷静に対処できるでしょうか?
暴落が来ると、これまでとは全く違う動きをします。あっという間に、レンジアウトするようなケースもあるんです。
ロスカットレートは動く数字ではないので、暴落時のメンタル的にもロスカットレートに焦点を当てましょう。
時期によって維持率が大きく変わるから
トラリピで有名な投資家の維持率を真似したいと思っても、時期によって維持率は大きく変わります。
- 現在:維持率2000%
- 1ヶ月後:維持率1500%
- 2ヶ月後:維持率700%
こんなことも普通にあります。
今この瞬間に維持率を真似した人は2000%で始めますが、2ヶ月後に始める人は維持率700%で始めることになりますよね。
これはとてもマズいです。相場が急変した時は維持率が大きく変わります。
維持率は変動が激しい数値ですが、ロスカットレートは大きく変わりません。他の人の真似をするときは特に、ロスカットレートを計算するようにしておきましょう。
トラリピ証拠金維持率は追加入金力によっても目安が変わる
いくら追加で入金できるかによっても、維持率の目安は変わってきます。
ただ、この時もロスカットレートを中心に判断した方が投資しやすいです。
- 維持率:計算が大変かつ、変動が激しい
- ロスカットレート:計算が明確かつ、変化しない値
ロスカットレートは日々変化するものではありませんが、維持率は日々変化します。
どっしりと長期投資したい場合はロスカットレートに注目して、維持率はそれほど気にしないようにしましょう。
【一応目安】私たけのトラリピ運用証拠金維持率はおおよそ700%台です
私の維持率ですが、だいたい700%を維持しています。
維持率をあまり気にしないで欲しいんですが、目安のために掲載します。ただ、2022年は200%台に突入したこともありました。
当ブログでは様々なプランを用意していて、リーマンショック以外の金融危機に耐えられるような設定を公開中。
維持率の目安に左右されない「どっしりとした運用」をしています。
日々の値動きに惑わされず、長期的に運用するのが私のスタイルなので、そういった運用をしたい方は当ブログの設定を参考にしてみてください。
まとめ:トラリピ証拠金維持率の目安はなし!絶対にロスカットレート優先
維持率は変動が激しい数値です。
暴落で数百%動くなんてことは平気でありますし、維持率を真似するにしてもどの時期で始めたのかによって大きな差があります。
- 2020年大暴落時で維持率1000%
- 平常時で維持率1000%
- 含み損が1万円ぐらいしかない状態で維持率1000%
随分と大きな差です。
大暴落時に維持率が1000%なら、ほぼロスカットしませんが、含み損がほぼない状態での1000%は簡単にロスカットします。
トラリピを長期で運用したい方はロスカットレートに重きを置き、維持率はそこまで気にしないようにしましょう。